「そんなことしなくても手っ取り早く無視すればいいだろ?」


「それは…」



斗真くんにとってはそうかもしれないけど



でもやっぱり私は



片思いがどんなものか知ってるだけに、何も言わずに無視するなんて出来ないから



「そんなことしても、あいつがおまえのことを忘れられなくなるだけだ」



斗真くんが厳しい口調で言い放つ



どうしよう…



昨日の今日だしもうケンカしたくないな



佐藤くんには斗真くんのいないところで訳を話せばいいか…



こんなの無用なケンカだよね



「わかった…」



私が素直に頷くと、斗真くんは私の頭を撫でて再び微笑んだ