「今日、ちゃんと言ったから」


「え?」


「綾瀬にもう俺に付きまとうなって言ったから」



うそ…


本当に?



私がマジマジと斗真くんを見つめると、斗真くんは更に続ける



「だからおまえももうアイツ相手にすんな」


「え…?」



あいつって…


佐藤くん?浬世也?



するとまたもや斗真くんは私の心を読んだように、少しため息をついた



「弟は…もうしょうがないから百歩譲る」



斗真くんはそう言って私の頭を子供のように撫でながら



「でも菜々子のことを好きなやつと話すのはなし」



とても寒いのに、斗真くんに見つめられるとホワホワと体温が上がっていくのを感じる





「できる?」