斗真くんも私の襟首からパッと手を離して浬世也と向き合う



「ちょちょちょ…」



私は慌てて2人の間に立って手を広げた



「菜々子は黙ってろ、こいつはマジで許せねー」


「浬世也…」


「ふーん、許せないってどうすんの?」


「斗真くん…」



この2人…最近、1週間に1度はこのケンカするな



周りも事態に気づいてジロジロ見ている



無駄に有名な2人が並んでるんだから尚更だ



「あのね、2人とも目立つんだからやめ……」



「斗真先輩、おはようございます」



え?



その突然掛けられた少し甘さを含んだ可愛らしい声の方に、私たち3人は一斉に顔を向けていた