「最悪…」


私は斗真くんを睨み付けながらも涙がパタパタと頬を伝っていった



斗真くんを叩いた手のひらがジンジンと痛い



それと同じぐらい胸もズキズキと音をたてて痛んだ



斗真くんは私が叩いて赤くなった自分の頬ではなく、私の頬に伝う涙を手で拭ってくれる



「ごめん」



え…


ごめんって何？


どうして言い訳してくれないの？


もう私はいいってこと？


体を許さない女はもう嫌になった？



「なんで…？」


「え？」


「言い訳してよ…」


「………」


斗真くんは少し困った顔をして口を開く



「寝ぼけてたんだ…」



は？