気まずい雰囲気が2人の周りを支配する
でも私はいい機会だから彼に事情を話そうと口を開いた
「なんかごめんね…」
え?
私はその言葉に目を見開く
今、謝ったのは私じゃなくて
「佐藤くん?」
どうして佐藤くんが謝るんだろう…
佐藤くんは伏し目がちになりながら再び話し出した
「なんか倉田さんの気持ちに甘えちゃって」
「え…?」
佐藤くんの言っている意味がわからなくて、考えるように他の所に視線を巡らす
私たちの他にも廊下で談笑している姿がチラホラ見える
私たちは決して珍しい訳ではない
誰も私たちを気にすることなく通り過ぎていく



