私はその言葉を避けるように、斗真くんの後を追いかける
廊下に出たけれどそこにはもう斗真くんの姿はなくて
遠ざかって行く斗真くんと美桜ちゃんの背中を目で追うことしか出来なかった
はぁ…
結構、重症かも…
そう思ってため息を付きながら、廊下の壁に背中を預ける
背中に冷やりとした感覚
私の気持ちと似ていて悲しいと言うよりも反対に笑える
そうして何を写すでもなくボーッと前を向いていたら
すると隣のクラスから誰かが出てくるのが見えた
ドキッ━━━……‥
その姿を見て心臓が跳ねる
どうしよう…
思いっきり目が合ってしまった…
彼も動きが止まっている
昨日の今日で少し戸惑っているようだけど、周りをキョロキョロしながらも私に声を掛けてきた
「倉田さん、今ひとり?」
「え?ああ…うん」
斗真くんはいない?って聞きたいのかもしれない



