眠り姫はひだまりで



私はどきどきと脈打つ心臓と、いてもたってもいられない感情のままに、唇を動かした。



「…私のひだまりに、なって」



おもむろに顔を近づけ、その頬にキスを落とす。

不器用に、ほんの少しの間だけ。

唇を離すと、ぼうっとした頭が、彼が好きだと訴えてくる。


ねえ、早くその目を開けてよ。

そしてその腕で、抱きしめて。


きっと心地良くて、寝てしまうからー………


「…それだけ?」


…え?

突然聞こえた声に、私は目を見開いた。

そして、ぐいっと顔を近づけられる。

えっ、えっ…!?


「なんで、それだけなの?」


視界に広がったのは、ニヤっと笑って私の目を見つめる、純くんの顔だった。