…綺麗な、寝顔。
しゃがんで、その顔を覗き込む。
肌、キレイ。
まつげ、長い。
周りに薔薇なんか生やしたら、眠り姫ならぬ、眠り王子……
なんてね。
その寝顔をじっと見つめていると、なんだかこのままでもいいような気さえしてくる。
いや、ダメなんだけどさ。
なんかこう、ずっと見ていたくなるっていうか。
「……………」
規則正しく聞こえてくる寝息に耳を澄ませて、私は目を閉じた。
…ああ、眠ってしまいそう。
心地良いな。すっごく、安らぐ。
この感覚、懐かしいものに似てる。
…そうだ、幼い頃過ごした、書斎で感じたものと………
静かに目を開けて、もう一度その姿を見つめた。
…ああ、見つけたかもしれない。
涙が出てくるほどに、心地良い、暖かなもの。



