「え…ちょ、色葉と大和くん、どうしたの?」
クラスの女子が、心配そうに私を見ている。
「…はは………」
苦笑いを返すけど、正直笑えない。
「……色葉」
ミオは、『あらら』という顔をしていた。
…うん、まあね。
簡単にうまくいかないことくらい、わかってたさ。
「…いいよ、長期戦は覚悟の上!ぜーったい、話してやるんだから!」
大和…逃げてもいいけど、私はどこまででもしつこいんだからね。
私は教室のドアを開けると、大和が走って行ったほうへ駆け出した。
…もうひとりの、私の大切な王子様へ。
私なりの大好きを、伝えてやる。