眠り姫はひだまりで



そして、呼び止めようと口を開く。


「純く……っ…」

…が。

彼の背中が振り返って、私を見たとき、私の体は前に傾きはじめた。

…つっ、つまずいたーっ!


「…う、わぁっ………」


彼が慌てた顔をして、手を広げる。

そのなかへ、勢いよく飛び込んだ。

とさっ………


「…あっ…ぶね」

頭上の声にハッとして、慌てて離れる。

「ごごご、ごめん!ありがとう!」

は、はずかしーっ!


「…気をつけろよ、ほんと」


そして聞こえた優しい声に、顔をあげる。


…はは、と笑う、純くんの顔を見えた。


きゅうぅ、と、胸が締め付けられる。

純くんは優しく笑って、私に背を向けた。

そして、歩き出そうとする。