出会った頃から、大和は優しい男の子だった。


いつも周りのことを見ていて、周りのことを考えて行動して。

周りに迷惑をかけるばかりだった私にも、優しく笑ってくれた。


…優しすぎるくらい、優しい人だった。






「…………なにしてんの、色葉」



教室の、後ろ。

ロッカーと棚の隙間を覗き込んで、ミオは呆れた顔をした。


「………私のことは気にしないでください………」


その隙間にうずくまる私に、彼女は「はぁ?」とあからさまな声を上げた。