出会った頃から、大和は優しい男の子だった。 いつも周りのことを見ていて、周りのことを考えて行動して。 周りに迷惑をかけるばかりだった私にも、優しく笑ってくれた。 …優しすぎるくらい、優しい人だった。 * 「…………なにしてんの、色葉」 教室の、後ろ。 ロッカーと棚の隙間を覗き込んで、ミオは呆れた顔をした。 「………私のことは気にしないでください………」 その隙間にうずくまる私に、彼女は「はぁ?」とあからさまな声を上げた。