ふたりの女子は私に気づいて、目を見開く。 「ちょ…ちょっと、待ってよ!嘘でしょ!?色葉がいるから…」 その言葉には耳を傾けずに、大和は私の腕をつかんで「行こうか」と言った。 「…泣かないでよ」 耳元で囁かれた言葉に、じわじわと視界が歪んでいく。 見ると、大和は私を見て小さく笑っていた。 「で、なんかあったの?呼びにきてくれたんでしょ?」 ふたりで階段を上がり、歩き始める。 「…っバザーの、反省会があるって…」 震える声で返事をした私に、彼は「もう時間ないね」と笑った。