「…!」 …目が、あってしまった。 どうしよう、気づかれた。 私の顔を見て、見開かれる目。 そして、その目はすぐに細められた。 …え? 大和は私から目を離し、女子たちに静かに「…違うよ」と言った。 「……色葉は、友達だよ」 その声と表情に、私の目に涙が溜まっていく。 「なんとも、思ってないよ」 …なんて、私は。 私は、最低な人間なんだろう。 「…色葉が呼んでるから、行くね」 え?という顔をする女子達に小さく微笑んで、大和は階段を上がり始めた。