眠り姫はひだまりで



………ああ、もう、情けない。


私は今にもこぼれ落ちそうな涙を、必死に堪えていた。







「あ、松本さん!」


そう先輩に呼び止められたのは、今まさに空き教室へ行こうと、教室を出た時だった。


「えっ……な、なんですか?」


びっくりして、立ち止まる。

バザーで一緒だった二年の先輩だ。

うちのクラスに、なんの用だろう。

大人っぽくて綺麗な先輩は、「連絡が突然でごめんね」と手を合わせた。

「今からね、バザーの反省会があるの。突然なんだけど、お昼ご飯食べ終わったら、会議室に来てくれない?」

ええっ………