目を見開いた時、頭上から「あ」と声がした。

それに慌てて、目を閉じる。


「色葉起きろー、時間だよ」


とんとん、と軽く背中を叩かれ、私は小さく目を開いた。

「大丈夫?起きれる?」

顔を覗き込まれ、心臓が飛び跳ねる。

「…だっ…大丈夫……」

「そっか」

純くんは立ち上がると、私を見て「行こうか」と笑った。

「……うん…」

私はゆっくりと体を動かして、立ち上がる。

純くんは優しく目を細めて、私を見ていた。