人々のざわざわとした声と音が、だんだんと大きく聞こえてくる。 薄く目を開けると、自分の膝とそこに置かれた手が見えた。 …まだ、そんなに経ってないのかな。 数分、寝てしまったみたい。 隣の温かみを感じて、私はほんのりと安心感を覚えた。 …まだ、もう少し寝ていよう。 そう思って、目を閉じる。 そのとき、頭の上に手が置かれた。 …え? 純くんの、手……? その手は頭を優しく撫でて、心地よさに何も言えなくなる。