「もー、ばかー!」

「俺を馬鹿にするから」

小学生か!

純くんとギャンギャン言い合っていると、周りのひとのぽかんとした顔に気づいた。

すぐそばの三組の男子が、純くんを指差す。


「え、純ってそんなキャラ?」

……あ。

つい、いつもの調子でやっちゃった…けど。

そーいえば、純くんって結構落ち着いた王子様キャラなんだっけ…


純くんは私の腕を掴みながら(取っ組み合いの寸前)「…あー」と困ったように笑った。


「こーゆーときもあるんだよ」


…ちょっと、照れ臭そうなその笑顔に。


ドバキューーン。

…という、この教室にいる女子の心臓をやられた音が響いた。

………気が、する。