やっぱりニンマリしながら、そのキレーな寝顔を見つめる。

このまま寝ちゃうのは、ちょっと惜しいよね。

話せないのは残念だけど、これはこれで得した気分。


初めて会ったときの印象は、最悪だったけど。

この王子様、目覚めて早々人の顔見て笑い出すんだもん。

あのときはムカついたけど、今はその笑顔が好きだったりするのが、不思議だよねえ。


もう十二月で、いくら日射しのいいこの教室でも、結構肌寒い。

でもこの寝顔を見てるだけで、ぽわぽわしてくる。

目を細めて見ていると、純くんの髪についてる糸くずを見つけた。