えっ、な、なにっ?

振り落とされそうになるのを必死に背につかまって耐える。

けれど、お馬さんは意外と凶暴なのか、激しく暴れられて、あっけなく振り落とされた。


「きゃあっ…………」


咄嗟に羽を広げる。

あ、あれ?

なんだか、真っ白だった雲が黒くなり始めた。

水色だった空も暗くなってきて…


「……いろはぁ!!!」


バリバリバリ!

「ひぃっ」

怒声が聞こえ、すっかり黒くなった雲から、雷が落ちた。

驚いたのか、翼を生やしてお馬さんが何処かへ飛び立つ。

戸惑っていたら、ぱんっと音とともに、羽が消えた。