「それ、どうしたの?」

「おねーちゃんにもらった」

「あ…あら、そうなの?」

再び、お母さんがこっちに頭を下げる。

わ…私、風船あげただけで、なんにもしてないんだけどな。


その後、男の子とお母さんは、仲良く歩いて行った。


「よかったね」

隣で大和が、安堵した声で言う。


「うん…ほんとに。風船ももらってくれたしね」


持ってるの恥ずかしかったし、と言うと、そうだね、と笑ってくれた。


「じゃあ、僕たちも行こっか」

「あ…うん」


…優しいなぁ、ホントに。


「や…大和。来てくれてありがとね」

笑って言うと、大和は少し照れたように、はにかんだ。