私は涙を堪えて、その背中を見ていた。



あの日の翌日、大和は本当に何事もなかったかのように振舞った。


大和がそれを望むなら、と私も今まで通りに接した。


けれど、年が明けたころから、委員会の活動も終わり、話すことが少なくなった。


それから、私の中のわだかまりを抱えたまま、卒業した。


私は、返せるのかな。

返していきたいな。


これから。


そう決意する私の頬には、一粒涙が伝っていた。