眠り姫はひだまりで






「……はぁ、はぁ」


やっと着いた(足痛くて)資料室に入ると、テーブルに置いてある携帯が見えた。

「よかった。あった…………」


はふー、と安堵の溜息をつき、携帯をポケットに入れた。

資料室を出る。

…………あ、足痛いぃ。

はひはひなりながら、廊下を歩く。


そして……………

二階のトイレの前で、私は立ち止まった。


トイレからは、数人の女子の談笑が聞こえる。

おしゃべりに花咲せる女子たち。


実に、トイレではよくある光景だ。

いつもならそうやって、普通に通り過ぎてるのに、今日は立ち止まった。


女子たちの談笑の内容のなかに…



ー………私の名前が聞こえたから。


トイレのドアの横から、数十センチ離れたところで、盗み聞き。

いけないことだとはわかってるけど…

口調からして、あまりいいカンジの話題じゃ無さそうなんだもん。


………一緒に、大和の名前が出ていたのも、気になるから。