………が、がーん。
嘘ぉ~…………
これじゃ、声かけることすら出来ないよ!
案の定、大和の周りには二限目が始まる直前まで、男子達がいた。
くそぅ。
こーなったら、二限目終わりに誰よりも早く、大和に声かける!
そう決意し、授業が終わるのをまだかまだかと待ち構え、ついにチャイムが鳴った。
委員長の号令のあと、間髪いれずに斜め前に向かって。
「やま…‥「「佐伯く~んっ」」
声かけるはずだった。
…のに、私の声は語尾にハートがつきそうなピンクな声に遮られ、……あぁ、もう大和に、私の声は届きそうにない。
「また駄目だったわね」
横で「あ~ぁ」という、ミオの声がする。



