「………たぶん、純くんが考えてる通りだよ。中一のときに、ね」


「そっか…………ごめん、訊いて」


ううん、と首を振る。

「そのことは、うちではあまり悲観的に考えないようにしてるから。気にしなくていーよ」


階段を上がり終えて、二階の廊下に足を置いた。

そこで、純くんが言った。


「俺、色葉のこともっと知りたい」


部屋に行こうとしていた足が、止まった。

「…………え………?」

振り返る。

見えたのは、まっすぐにこちらを見る純くん。

「…………ダメ?」


……とても素直な瞳で。

言うから。


「……し、知りたいって……?」


どーいう、意味で?

「そのまんまの意味だよ」

まっすぐな瞳のまま。

純くんは私を見つめて、言った。


「ただ、色葉のこともっと知りたいって思ってる」