そんなお兄ちゃんに、お母さんは呆れたように、深くため息をついた。

「……変わらないわねぇ。まぁ、いいのよ?家族思いで」

そして、「さてと」と言って、手を叩いた。


「いつまでも玄関で立ち話もあれだから、リビング入りましょ!さ、行った行った」

お母さんは、お兄ちゃんと優馬にリビングに行くよう促した。

二人が、ドアを開けてリビングに入る。

そしてお母さんは、私と純くんのほうを向いた。


「ところで、そっちの彼はどうするの?」

「あ、うちで夕飯食べていくことに
なったの」

「え!?あらあらまぁ!本当に!?」


……また興奮しだしたぁ。

本当お母さん、イケメンに目がない。


「突然すみません。やっぱお邪魔ですか」

王子様な純くんがそう言うと、ニヤニヤしていたお母さんの目の色が変わった。


「そんなことないわ!!」


今度はすごい剣幕。

うちのお母さんは忙しい。

「全っ然そんなことないわよ!むしろ大歓迎!あの様子だと、お兄ちゃんも許してるみたいだしね!いいわよ!OKOK!!」


「あ……有難う御座います………」


目の保養は逃してはならぬ。

………と、お母さんの目が語っているようだった。