連日ニュースではこの暑さについて取り上げられている。

特に今夜は暑いらしい。


冷房が苦手なあたしたちは扇風機と、たまに入ってくる生暖かい夜風で夜を過ごしていた。


窓を開けていたから隣の物音にも気がついたんだけど…… 松田さんの手がいつもより熱いのは、本当に気のせいだろうか?


「紗雪ちゃん、明日も学校でしょ?」


「はい」


明日は午前中だけ。

午後は部屋でレポートでもやろうと思っている。


お昼は夕飯のあまりものがあるから、それにしよう。


「早く寝ないと、遅刻するよ?」


「はいっ。 こんな遅い時間にすいませんでした」


「俺の方こそ悪かったよ」


「じゃ、おやすみなさい」


「うん、おやすみ」


あたしも早く寝よう。

たぶん、松田さんはこれで寝ると思う。

明日も学校だから、遅刻はできない。


部屋に戻り、机の電気を消す。


「あれ、もう寝るの?」


「うん、なんか眠いから―――」


そそくさとお姉ちゃんの横の布団に潜り込んだ。

松田さんに会えたし、今夜は良く眠れるかな―――。