なんでお姉ちゃんは自分で開けないんだろう?

あたしは疑問に思いながら、ゆっくりドアを開ける。


あたしは覗き窓を見てないからおそるおそる開ける。


「こんばんは」


「あっ…… !!」


松田さんだ。


「ごめんね、遅くに」


「本当よ…… まったく」


後ろからお姉ちゃんが口を挟む。


「こっちは寝る前だったんだけど?」


「すいません、どうしても今日中に渡しときたいと思ったんです」


今日中?

なんだろう。


「紗雪ちゃん」


「はい」


「ん、なんですか?」


白い箱を渡され、受け取ってしまった。

さほど、重みはなく、でも、少しでも動かすとカシャカシャ音がする。