とは言っても……。

松田さんが置いていった資料が何か気になる。

たぶん仕事関係なんだと思うけど…… あたしはいまだに松田さんが何の仕事をしているか知らない。


見ちゃう?

…… でもなー。


「なに、難しそうな顔をしているの?」


「うわぁあ!!」


「“うわぁあ!!”って……」


眉間にしわを寄せ、お皿を両手に持って松田さんが近づいてきた。


「なーに、いたずらしていたの?」


「いたずらなんて、してません」


「本当かー? …… まぁ、大人しく良い子にして先に食べていな。 あと少しだから」


ポンポンと頭を叩き、松田さんは残りを取りに行った。


うっわー!!

松田さんにバレるとこだった。

もうこんなこと辞めよう。

心臓に悪すぎる。


「はぁー」


松田さんが運んできてくれたクラムチャウダーを口に入れる。


うん、大丈夫そう。

何回も味見をしたけど、やっぱり不安なんだ。