長い夏休みが終わった。


「紗雪ー、画用紙ちょーだい!!」


「はぁーい」


夏休みが終わったらすぐに、文化祭がやってくる。

あたしたちのサークルは、たこ焼き屋さんを出すことになっている。


「松田さんは文化祭来るの?」


横で画用紙にメニューを書いている、明日香に尋ねられた。

あたしも画用紙にメニューを書きながら、手を動かしながら答える。


「土曜日の午後にね。 前の日が遅くまでお仕事みたいだから……」


「そっかー、よかったね。 松田さんのこと紹介して!!」


「えぇー!! 明日香に紹介とか恥ずかしい」


画用紙にメニューを書きながら明日香と盛り上がっていたら…… 気づいたら手が止まっていた。

そんなあたしたちに見兼ねたのか、サークル長から“帰って良い”と言われてしまった。

あたりを見回してみたが…… どうやらほとんど仕事は終わっているみたいで今日は天気が悪くなるみたいだから、早めに終わりにするみたい。


急いで荷物をまとめ、校門の前で明日香と別れた。

それから電車に乗って、最寄り駅で降りる。


「空が黒いなー」


いつもより黒い空に雨の予感がして、いつもり足が速くなる。


でも、そんな努力も虚しく……。


ザーッッ!!


雨が急に強く降ってきた。