こんなくだらい質問に対して、松田さんは優しく答える。


「そっ、ここのチャーハンも餃子もおいしかったからどっちにしよつか迷ったんだ」


「そうなんですか!!」


あたしはチャーハン一皿、餃子一皿なんて、ラーメンとは別に食べられないので諦めるしか無い。

松田さんが“おいしい”って言ったから、気にならないわけじゃないけど……。


「今度、食べてみますね」


「うん、オススメだから」


カウンターなら横並びだけど、対面に座って話すことができるので…… 少しだけ、どきどきする。


「お待たせしましたー」


ラーメンとチャーハンセットが運ばれてきた。


「ご注文は以上でよろしいですか?」


「はい、大丈夫です。 ありがとう。 あと、一枚、取り分けられるお皿もらえますか?」


お皿?

取り分けるお皿なんて、なにに使うんだろう。


松田さんのお願いを心地よく受け入れた店員さんは取り分けられるお皿を一つ持ってきて、テーブルを離れた。