そこには、幼いころの自分とそっくりの子供がサッカーをして遊んでいた。

驚いて目を見開く。

(...お、俺?)

どくどくと心拍数があがっていく。

ここは過去なのだから、過去の自分が居ても可笑しくない。

しかし、まさか会えるとは思っていなかった心晴はまじまじと見た。


ぱちり、

幼い自分と、視線が合う。

「卓也、あのおにいさんずっとこっち見てるよ。」

「あのひと、ボールとってくれた人だ!きっと混ぜてほしいんだ!」

勝手にそう解釈した小学生二人は心晴の元へと駆け寄ってくる。

「一緒にサッカーする?」

幼い心晴は、にっこりと笑って聞いてきた。

どうすればいいのかわからない心晴は ええと、 と考える。

するともう一人の小学生がぐいっと腕を引いてきた。

「ひまなんだろ、遊ぼうぜ!俺、卓也。」

「おれは心晴!おにいさんは?」

卓也、と聞いたときに心晴はさらに驚いた。

自分の友人の名前だったからだ。

そういえば、小学生のころから卓也とはよく遊んでいたことを思い出す。


「おにいさん、名前!」

名前を催促されて、悩みながら口を開く。

「...た、」

「た?」

「太郎...。」