「...。」

(これから、どうすればいいんだろう。)

心晴はベンチの上で膝をかかえて座り込んでいた。

場所は、あの公園。

未空と初めて出会った場所で心晴は考え込んでいた。

まわりでは子供が楽しそうに遊んでいる。

なんだか、今自分が置かれている状況が嘘のように思えてきた。

(あー、俺最低だ。)

慧に酷い事を言ってしまった。

本当は、寂しかっただけなのに。

(俺も悪いけど、慧も悪いと思うし...)

ぎゅ、と膝を抱く腕に力をこめた。

___未来が、怖い。

何も知らずに生きているこの世界の人間が、酷く羨ましかった。

友達同士でふざけあって走り回っている子供たちや、

親子で楽しそうに遊んでいる光景を見て、

胸が苦しくなる。

(俺も、こんな時があったのかな。)

幼いころに母親と父親、それに兄貴と公園に遊びに来ていた事をうっすらと思い出す。


とん、

ぼうっとしていると足元にサッカーボールが転がってくる。

「すいませーん、それとってくれませんか?」

小学生くらいの少年に、ボールを投げる。

すると ありがとうございます! と礼を言って再び友達の元へと戻っていく。

「心晴ー、続きしよーぜ!」

「おう!」

(...心晴?)

心晴は、サッカーボールで遊んでいる子供2人に視線を向けた。