「実は、研究所を貸していただきたいんです。」
「何をするつもりだ?」
「タイムマシーンの、修理をさせてください。」
沈黙。
友哉は一瞬だけ目を見開いて、未空を見た。
未空はさらに説明を続ける。
「信じられないと思いますけど、私は未来から来たんです。
途中でトラブルがあって、タイムマシーンが故障してしまって...、」
「...現実的に、あり得ないな。」
「けど、現実なんです。」
「...。」
じ、っと友哉が未空を見つめる。
未空は視線をそらさず、強い瞳で見つめ返した。
再び沈黙がおちる。
数分後、友哉はフ、と笑って視線を逸らした。
「...本音を言うと、信じきれない。けれど君が嘘を言っているようには思えないな。...
まあ、仮にその話が本当だとして、どうしてタイムマシーンで過去に来たんだ?」
ぐ、と拳を握りしめた。そして、静かに口を開く。
「未来を、変えるために。」
「未来で何か起きるのか?」
「...地球が、滅亡してしまうんです。」
友哉はぽかんとした表情で未空を見る。
「...そういう嘘は、私は好きじゃない。」
「嘘じゃないんです、本当なんです!」
未空は必至で訴えるが、友哉は ハァ とため息をついた。
「その話が真実だという証拠はあるのか?」
「あ、あります!タイムマシーンが、外に、」
そう言いかけた時だった。
ばぁん!と社長室の扉が勢いよく開く。


