心晴の頭から手を離し、見えてきた空地に視線をうつす。
「気をつけろよ。また動物が襲ってくるかも知れないからな。」
「うん。」
空地にあるタイムマシーンに駆け寄ると、入口についているボタンを押した。
プシュー、と音をたてて開く。
操縦席に乗り込み、操作している俺を見て心晴は興味深そうに近寄ってきた。
「すげー」
中を覗き込み、素直に感想を述べる心晴に俺は笑う。
いずれ、お前もタイムマシーンをつくることになるんだと言いたかったがそれをこらえた。
未空ちゃんは草叢を覗きこんで、自分が乗ってきたタイムマシーンを探している。
そんな彼女に気づいた心晴が不思議そうにといかけた。
「未空、何してんだ?」
「ちょっとね...。」
「なあ、俺ずっと気になってたんだけどさ。」
「何?」
「未空って、慧と知り合いなんだよな?
未空は、何所から来たんだ?」
そう問われて困ったのか、未空は俺のほうを向いて助けを求めてきた。
俺が未来の峯岸心晴で、タイムマシーンの創立者だという事はまだバレるわけにはいかない。
そこをうまく省いて説明しようとして、俺は口を開く。
「未空ちゃんも、七年後の世界から来たんだ。」
「...そっか。」
なんとなく予想はしていたらしく、心晴は対して驚いた素振りを見せなかった。


