「...よ!」
「よ!じゃねえよ!お前何所行ってたんだよ!」
駆け寄り、慧の服を掴めば彼は 寂しかったか? とからかってくる。
否定できないので黙っていると、どんっと突然未空が勢いよく慧に抱き着いた。
「うわっ!」
慧は驚いて未空を見る。
状況が読めない俺は不思議そうに見ているしかできなかった。
「ッ、会いたかった。」
瞳に涙をいっぱいにためて、彼女は言う。
(え、知り合い?)
「...未空ちゃん、ゴメンな。」
彼は申し訳なさそうな表情で謝る。
慧は俺に離れるように言うと、泣きそうな未空の手を引いて少し移動した。
*未空視点
やっと、見つけた。
「みね「今は俺の事 慧 って呼んで。」
「...慧?」
「うん。まだ、俺の正体を心晴に知られるわけにはいかないから。」
「...なんでですか?
それに、あの、一体何がどうなってるんですか!?
私、元の世界に戻れますよね!?」
一番不安だった事を問えば、峯岸さんは 大丈夫だよ と頭を撫でてきた。
「未空ちゃんは、俺がちゃんと護るからな。」
「ッ、意味わかりません!」
熱くなる頬を隠して、私は峯岸さんに言うが彼から返ってくるのは曖昧な返事ばかり。
「とりあえず、心晴の前では気を付けてな。」
「...ハイ。」
納得いかなかったが、しょうがない。これ以上聞いても何も話してくれなさそうだ。とりあえず今は峯ぎ...慧さんが 大丈夫 と言った言葉を信じようと思った。


