ゴォオオオ、
風を切るような音がすぐ傍で聞こえる。
「心晴、しっかり操縦しろよ。」
慧の声が聞こえ、心晴はゆっくりと目を開いた。
目の前には、不思議な光景が広がっている。
二度目の時空間の移動に、心晴はごくりと喉をならす。
___自分は生きている。
そのことにほっとした瞬間、未空が隣で悲鳴をあげた。
「心晴君!スピードあげて!後ろに、小惑星がッ、」
未空の声を聞き、ばっと振り向くとそこにはとてつもない大きさの小惑星が在った。タイムマシーンに負けないくらいの猛スピードでだんだんと距離を縮めてきている。
時空間に移動できたはいいものの、出口まで無事に操縦できるかわからない。
まだ、気を抜くわけにはいかない。
「追いつかれちゃう!」
未空の叫びに心晴は焦った。アクセルは思い切り踏んでいる。これ以上スピードは出ない。
「っ、慧!」
縋るように慧の名前を呼べば、慧は一度深呼吸をしてから心晴に視線をうつす。
「大丈夫、そのまま。」
慧の真剣な声音を聞き、何故だか不安になった。
小惑星との距離がだんだんと近づいてくる。
刹那、
ドォオオオォン、
耳が痛くなるほどの大きな音が響く。
タイムマシーンが激しく揺れ、心晴は思わずハンドルから手を離す。
ガシャァン、という音がして顔を向けるとタイムマシーンの扉が破壊されていた。
ミシミシと軋む音が聞こえる。
「心晴!」
慧の声を合図に、心晴は未空の手を強く握り引き寄せた。


