心晴はただ必死だった。
どうなるかなんてわからない。上手くいくなんていう保障もない。
死ぬかもしれない。
けれど、前に進まなければいけないのだ。
運命を、未来を変えなければならない。
11時57分。
目の前に、大きな塊が見えた。
「未空ちゃん!」
慧の声を聴き、未空は慌てて2112年8月20日と入力する。
心晴は大きく目を見開いた。
目の前には見たこともない大きな塊。
凄まじいスピードでこちらに向かってくる。摩擦により、炎のような赤い光が塊を覆っている。
心晴は、冷や汗を流した。
恐怖が自身を締め上げる。
ふ、と力が抜けそうになった。
ハンドルを握る手の力が緩まる。
それを見た未空が、ぎゅ、と心晴の手ごとハンドルを握った。
「大丈夫。」
未空も怖いはずなのに、心晴を安心させるように言った。
「ぅあああぁぁああぁあ!」
大声をあげて、ハンドルを握る手に再び力を込めた。
大丈夫、きっと。
刹那、ドォン!と大きな衝撃が走る。
そして、タイムマシーンが光だし視界がぐにゃりと歪んだ。
辺りを白い光が埋め尽くす。
思わず心晴は目を綴じた。
衝撃のせいで痺れた手は、未だにハンドルを握っている。


