「帰ろか」 「うん」 もう夕方や。 雨やから、よけい暗く感じる。 窓に近寄り空を見上げる。 「だいぶ小降りになったぞ」 今日は昼過ぎから雨が降り出してた。 「この調子やったら明日は晴れるな」 ―ッ! 「美、美桜」 美桜が…背中に抱き着いた。 「どうしたんや?」 「……」 「美桜?」 「な、何でもない。なぁ」 「うん?」 「暫く…こうしていて」 手を俺の腹に回して組んできた。 その手に手を重ねて 「うん」 ―― ―