─時間にして数秒。─ “JOKER ”は振り返って口を開いた。 「…拳銃なんて持ってない…」 「えっ?…でも無線で人質を捕って立て籠ってるって…」 「…人質も居ない…」 「…ええっ…!?」 表情ひとつ変えない“JOKER”を一同、唖然と見つめる。 「…早く突入しろ…」 そう言って“JOKER”はくるりと向きを変えると、チラッとこちらに目をやって… 「…無能…」 と一言吐き捨てて乗って来た車へと戻って行った。 ─それが“JOKER”との… 彼女との出会いだった。─