午前中あれだけ荒れていた天気も昼になると日差しが戻って来た。
如月はまだブツブツと文句を呟きながら岑岳高校の向かいに車を停車させ、窓枠に頬杖を付いていた。
正門からは下校する学生がちらほら見える。
そして如月は視線の先に見えたジョーカーの姿に目を疑った。
何故なら、彼女は友達と楽しそうに談笑していたのだ。
「…アイツ…本当にジョーカーか…?」
一瞬人違いかと思ったが、それは間違いなくジョーカーだった。
だがその笑顔に何処か違和感を感じる。
まるで無理に笑っているような…。
友達に手を振り、こちらに歩いて来る彼女を半眼で睨んでいると、ジョーカーは如月の数メートル手前でいつもの無表情になった。

