*GIMMICK*





「…で?その予兆だかなんだかでそんなナリしてんのか?」



「そうです!間違いなくこれは不吉な予兆ですよっ!」



髪はボサボサ、足元は泥だらけ、そして全身ずぶ濡れでまるで…



「雑巾みてぇだな、お前。」



「い、言わないでくださいよぉ!」



涙ながらに訴える如月を陣内は終始楽しそうに眺める。



そこへ課長が「酷い雨だなぁ~」とぼやきながら入って来た。



「おはようございます、課長。ありますよ、雑巾。」



「ちょっ!陣内さん、怒りますよ!?」



自分のネクタイを引っ張って笑う陣内に口を尖らせると、如月は彼の手を叩き落とした。



「こんくらい、いいじゃねぇか~お前だけいい役に着いてんだから!あのジョーカーちゃんと…くっそー!羨ましい!」



全っっ然いい役でも無ければ、羨ましがられるような事だとも如月には思えない。