とある住宅街の一画…



普段なら夜の10時ともなると人気も少なく静かなはずだった。



だが、この日は違った。



野次馬やらマスコミやらで辺りは有り得ないほど騒然としている。



そんな様子を見て年配の刑事の一人が溜め息を着いた。



「ウザったい連中だ…。何とかならんのか!?」



何とかなっていたら今頃自分はこんな所に駆り出される事は無かっただろうと、若い新米刑事は思う。



そもそも彼、“如月 聡”はこの事件の担当ではないのだ。



“…ああ…デートは完全にボツだな…。”



彼は心の中で「ついてない」と呟いた。