隣の部屋の引き戸が開き、その方に視線を移すと…
「多実ちゃん!!!」
双子のお姉ちゃん多実ちゃんがちょこんと立っていて。
思わず駆け寄って抱きしめる。
「ずっとここにいたのー?」
「鈴ちゃんが来るの待ってたのー。そしたら多実も太郎も眠くなっちゃってねー?お昼寝してたのーそたらねー」
多実ちゃんのエンドレストークがピタリと止まる。
どうしたのかしら?
「鈴ちゃんのココに付いてるのーさくらーなんでー?あ。ここにも付いてるのー。鈴ちゃん面白いねー」
「桜付いてるの?とってくれる?」
「いいよー」
どうやら、私の前髪に桜の花びらが何枚かついてたみたいで。
多実ちゃんは小さな手で花びらを取ってくれた。
「ありがとうね。」
と、多実ちゃんの頭を撫でると満面の笑み。
か……………可愛い♡
「たろ、まだ寝てるんだよー。起こしに行こう鈴ちゃんー。」
と、私を隣の部屋に連れて行こうと手をひっぱる。
ドタバタな時原家。
双子ちゃんとの生活が始まりました。


