Home*Love~始まりはキス~【完全版】






「にゅ、ニューヨーク支社に転勤!?お父さんが?何でそんな勝手な話…」


私は2人掛けのソファーに座りながらお母さんの話を聞いた。声も大きくなる。


その話とは…時原家を大きく揺るがす大事件だった。
この4月からお父さんががニューヨークへ旅立つって…!!!そんな話聞いてない!どういう事!?


「じゃあ、お父さんが向こうで一人で暮らすってこと?」





「シッ。鈴、声が大きいわ。前にも話してあったわよね?もしかしたら転勤になるかもって。異例の大出世らしいの…おそらく…これからずっとアメリカよ…お父さんとはずっと話し合ってて…母さん3ヶ月向こうに行くわ。お父さんのこと心配だし…」

と、お母さんは溜め息をつきながら疲れきった様子。



ん?ちょっと待って。お母さんも行くわ?


「………太郎ちゃんと、多実ちゃんは?」



私の言葉でこの場が凍りつく。



私には兄弟がいる。  
今年4歳になった双子の太郎と多実ちゃん。

19歳も離れているんだけど、私の可愛い可愛い兄弟なんです。

時原家は、お父さん、お母さん、私と
太郎と、多実ちゃんの4人家族。


「その事なんだけど……」

お母さんは更に重い口調で話始めた。


    え。


    まさか…