一瞬、時が止まったようなそんな感覚だった。
その時に見えた景色は大量の桜の花びらが舞い上がっている…そんな景色だった。
落ちるっ………!!!
私は咄嗟に目をぎゅっと瞑った。
次の瞬間、右腕を一気に引っ張られ
体は前に倒れ込む。
ドサッ………
体の正面は何かにぶつかり。
ガンッ………
何かが階段に落下した模様。
あれ?
痛いけど落ちてない………。
「………大丈夫?」
その優しい声にハッとする。聞き覚えのある声だ…。
ゆっくりと顔を上げると今の状況に驚いた。
え?
私はお隣さんの腕の中にすっぽり埋もれていたんだ。
「大丈夫ですか?風が強いから気をつけて。」
そう言いながらお隣さんは私の両肩を掴んで体を起こした。
「すみません、助けてくれてありがとうございます。」
恥ずかしくて一刻も早くこの場を立ち去ろうと階段を一段上った時。
バキッ…


