ジンは眼帯で見えない右目の代わりに、鋭い左目で背後のリストを睨み付ける。
「―――……………………何ですかリスト=サベス。騒々し…」
「聞いてくれ総団長!!俺はこの一生の中で成すべき事をまだやり遂げていないんだ!!まだ何も決めてないけど!!」
「………は?…藪から棒に一体…」
「なあ総団長!!お前総団長だろ!!俺より一つ上のお兄さんだろ!!お前からの質の悪い嫌がらせにも今日という日は耐える!!何を言われても俺耐えるよ!!鞭なんか喜んで受けるから!!今日だけはお前を恨まないから!!今日だけは全人類の中でお前の幸せだけを祈るから!!だから、お願いだ!!………………助けろ!!」
………………意味不明だ。
とにかく………何かから助けてほしい、らしい。
彼にしては珍しく、怒りもせず、プライドまで捨てて…。
よく見たらなんかボロボロだし、目が必死だ。
………何かが怖いのは分かったから………背中の帯を掴まないでほしい。解けるから。
短い溜め息を吐き、ジンはゆっくりとリストに向き直った。
仏頂面で両手を組んで、息を整えようとしているリストをジッと見る。
「………………それで?……簡潔にまとめて事情を話しなさい、サベス」
「………いや………話している暇は無いというか……。……………………………………………お前、身長何センチだ…?」
「五尺八寸(177~178センチ)です。それが何か。……………貴方…何から逃げてきたのですか。そんなボロボロで。軍服は自腹ですよ」
口調だけはえらくアレクセイ似のジン。
リストはゼエゼエと掠れ声で答えた。


