「俺ん家に来て話聞いてくれたら、家に帰してあげる。」 恭夜から言われたのは抱き締められて離れるよりも、もっとハードルの高いものだった。 「話…? そんなのないでしょ……」 「ちゃんとした話…あるから聞いて。」 恭夜はそう言うと無理矢理菻子を引っ張りずんずんと自宅へと向かう。 「恭夜っ…私行かないってばっ!」 「…………」 菻子がなにを言っても恭夜は返事をせずに、強引に引っ張り家へと向かった。