ドクンッ…ドクンッ… うるさい… うるさいうるさいうるさい……… 今の恭夜の言葉を聞いて更に早くなる鼓動は治まることをしらない。 「なあ菻子…」 ぎゅ…っ… 後ろから恭夜に抱き締められる。 「え……ちょっ…」 や、やめて… 心臓の音が聞こえちゃうっ… 「答えて……」 耳元で囁かれる言葉にゾクリと鳥肌が立つ。 こ、こんな道端で…っ…… 「ゃ…やだ…離して…っ」 恭夜の腕の中でもがく私を、恭夜は離してくれない。 「俺だっていやだ…。 離さない。」 な………ん、で…?