「元気にしてた?」


「うん、元気だったよ。忍君は?」


「うん、まぁまぁ……かな。そういえば……理央奈ちゃん、どうしてここにいるの?」


忍君は、不思議そうな顔で私に聞く。


私は忍君のまぁまぁ、という言葉が気になりつつも、笑顔で答えた。


「また、ここに住むことになったんだ。私と、お兄ちゃん3人と、お父さんとお母さんで」


「そうなの?!良かったね」


ニッコリとそう笑って言った忍君。


けど、どうしてだろう……?


私はなぜだか、忍君が10年前とは違って、心からの笑顔で笑っていない気がしたんだ…―。