愛する人。





 なんなんだアイツは。あんなに取り乱して。


 もしかして初恋……とか?



「ははっ」


 ……ありえる。





 ――仕方ないな。



「聞いてやるか…」



 でもその前に、シャワーを浴びてこの甘い香りから逃げたい。

 俺はシャワーを浴びるためにリビングのドアに手をかけた。


 そのまま、振り返り、リビングを見渡す。



 ―――もう、いないんだな。



 本気で引っ越しを考えながら、今度こそ、ドアノブを回した。